今週はWBCで日本代表が3大会ぶりに優勝し日本中が熱狂に包まれるという大変良いニュースが。繁忙期で試合は生では応援出来ませんでしたが、ヌートバー(Lars Taylor-Tatsuji Nootbaar)という父親アメリカ人母親日本人でアメリカ国籍のハーフの選手が活躍し人気者になったのは面白い現象だと思いました。

同じく日本代表として活躍したダルビッシュ選手は父親イラン人母親日本人のハーフですが日本国籍を持っているので日本代表に選ばれるのに異論がある人はいないでしょうが、ヌートバー選手の場合同じハーフと言えど国籍はアメリカ、何故日本代表になれたかというと今回から代表としての出場資格が「両親のどちらかが当該出場国の国籍を有すること」、「両親のどちらかが当該出場国で出生していること」という具合に緩和されたからだそうです。ヌートバー選手の母親はアメリカ在住でアメリカに帰化しているかも知れません(米国移住した日本人はこの例が多い)が生まれは日本の埼玉のようなのでどちらかの要件を満たし日本代表になれたのですね。オリンピックやWカップは国籍要件があるので代表入りするためにわざわざ帰化して当該国の国籍を取得する選手もいますが批判を浴びたり後々問題になったりしますのでこれはスマートな出場資格なのかも知れません。

また出場資格は問題なく得られても外見は外国人、米国育ちで日本語もカタコトの外国人を日本社会や日本人の皆さんが日本代表として受け入れるのかという問題もありましたが、その点は今回は杞憂でしたね。もっとも本人が生真面目優秀で日本チームの勝利や優勝に貢献したからなのでしょうが、もし逆のパターンで日本チームの敗戦に貢献?していたらと考えるとゾッとしますが。要は日本に貢献してくれる人間ならハーフでも外国人でも歓迎応援というのが一般的な日本人の考え方なのでしょうね。

もう一つ不思議だったのがヌートバー選手が日本国籍を持っていなかった事、現在の国籍法ですと親の片方が日本国籍なら日本国外で生まれても日本の在外公館に出生届を出せば日本国籍を取得出来るのですが、出生から3ヶ月以内に出生届けが出せないと日本人では無く日系2世という扱いを受け、日本のパスポートが持てない、日本に中長期滞在するのに面倒な在留資格の手続きがいる、日本で公務員や政治家になれないなどのいろいろ不利益を受けることになります。日系人が多く住むブラジルでも国土が広く日本総領事館まで遠くて出生届けが出せなかった、太平洋戦争で総領事館が引き揚げていて出生届が出せず日本国籍が取得できなかった日系2世の方たちがたくさんおられますが、ヌートバー選手の場合は一体どういう理由だったのでしょうね。

少子高齢化が止まらない日本は現在人口の急速な減少により様々な問題が発生しています。外国人の受け入れより日本に縁やルーツのある日系人の受け入れを重視優先すべきことをヌートバー選手を見ていて再認識させられましたがみなさんはいかがお考えでしょうか。【業務週報2023年3月第5週】

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