台湾の西海岸で今月2023年3月に身元不明の16体もの溺死体が海岸に打ち上げられたり、海上風力発電施設の土台部分で変死体が見つかったりという謎の事件が起きていたのですが、どうやら台湾へ船で密入国しようとしたベトナム人の集団が何らかの理由で難破、水死したようであることが判明、台湾マスコミが各社競って報道している状況です。

少子高齢化が進む台湾は日本と同様安い労働力としてベトナム人労働者の受け入れが盛んですが、日本の外国人技能実習制度同様、寧ろそれ以上に失踪や不法就労、外国人犯罪が問題となっております。当局に摘発され強制送還されて合法的に台湾で就労出来ないベトナム人が蛇頭(スネークヘッド)に大金を払って中国の福建省辺りから船をチャーターして台湾に密入国するというスキームが出来上がっているのですね。

ヨーロッパやアメリカでも密入国船を使った移民の不法入国が問題となっていますが、失敗の確率が非常に高いですし今回のように死のリスクがある大変危険な行為、台湾の直近の例ですとコロナ禍の2020年9月にベトナム人の集団が乗った漁船が台湾南部に接岸しようとしたところ当局に見つかり漁船はベトナム人をゴムボートに下ろし逃走する事件が、結局33名のベトナム人の身柄が確保されましたが中には亡くなった方もいるかも知れません。

台湾の場合、台湾に帰化し台湾国籍を持つ中国語ベトナム語が出来るベトナム人妻も多く大きなベトナム人コミュニティーが出来上がっているのですが、彼女らがブローカーとして不法就労や密入国の手引きをしているケースも多いと思います。日本も今そうなりつつあると思いますが。

日本でも昔バブルの人手不足の頃九州に外国人の難民が船で上陸、インドシナ難民だと思ったら不法就労目的の中国人だったという「ボートピープル」という事件があり、アジアからの外国人労働者の受け入れは危険なので地球の裏側から日本の文化習慣を知る日系人を受け入れよう世論が出来、1990年の入管法改正に影響を与えましたが、コロナやウクライナ紛争、台湾有事が噂される今こういう密入国事件が再び起きるのかも知れません。

日本はここ10年、台湾は20数年安い労働力が欲しかったり、少子高齢化による人手不足解消のためにベトナムから労働者を受け入れ続けて来ましたが、受け入れコストも上がりましたし経済発展したベトナムから今後優秀な労働者が海外に供給されるとは思えません。台湾は来年からVIPT以外のミャンマー、インドからの外国人労働者の受け入れを始めるようですが、日本も早いうちにベトナムからの労働者受け入れを再考したほうが良いと思います、もう手遅れかも知れませんが。【業務週報2023年4月第1週】

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