今週経団連が日本の政府コロナ対策に関する提言を発表しましたが、隔離期間の短縮と免除について違和感と失望感を感じた方が多かったと思います。というのは新型コロナウイルスを抑え込んでいる国々は政府が主体で隔離を厳格にやっていますし、隔離期間も日本より長いところが多いですから。今回は香港と台湾の新規入国外国人の受け入れ再開と隔離の状況内容について紹介してみたいと思います。

・香港の外国人メイド受け入れ再開
香港では8月30日から5ヵ月ぶりにワクチン接種済みのフィリピン、インドネシアからの外国人メイドの受け入れが再開、香港に到着した外国人メイドは先ず香港政府が手配借り上げたビジネスホテルで21日の隔離生活を送らないといけないそうです。ホテルは有料で1泊3食付きで800香港ドル(約1万1千円)もするので21日隔離ですと16800香港ドル(約23.1万円)もかかり雇い主が負担しなければならないそう。それでも3千人の外国人メイドが香港入国待ちで1ヶ所しかない隔離ホテルは予約の奪い合いで今月末までに1泊500香港ドルのホテルを追加手配することを香港政府は発表したそうです。

・台湾の留学生受け入れ再開
台湾では今年5月にコロナショックが起こり警戒レベルが3に引き上げられ、居留証を持たない外国人の新規入国が停止されました。7月末に警戒レベルは2に引き下げられましたが入国制限は引き続き続けられており外国人労働者や留学生、台湾人と国際結婚した外国人配偶者まで入国制限される厳しい措置が取られておりました。台湾では9月から新学期が始まるのですが、新学期に合わせて留学生が来台できるよう台湾政府の教育部や留学生支援団体が指揮センターに陳情、それが認められ9月と10月に約1.3万人の留学生が台湾に入国できることに。入国前のワクチン接種は義務ではないようですが、14日間の台湾政府指定の検疫場所(ホテル等)での強制隔離の後、更に7日間の自宅等での自主健康管理を行わないと登校できないという厳しい隔離措置が取られるようです。

 

・日本の場合スポーツ選手とその家族から
以上のように香港では外国メイドから、台湾では留学生から外国人の新規入国受け入れが再開されましたが、我が国の場合何故か興行の在留資格のスポーツ選手や家族滞在の在留資格のスポーツ選手の家族から新規入国外国人の受け入れが再開、需要や要望の高い技能実習生や留学生の受け入れ再開は一体いつになるのか目処も立っていないのが現状だと思います。日本の場合も14日間の隔離期間(いわゆるレジデンストラック)が定められておりますがザルと言われており、足跡追跡や監視や違反者には罰則のある香港や台湾のように厳格ではないのは周知の事実。このような状況で外国からウィルスが持ち込まれ、日本国内の外国人コミュニティーや職場でクラスター感染が多発しているのですから、隔離期間の短縮や免除を行ったらまた海外からワクチンの効かない変異種のコロナが持ち込まれいつまでたってもウィズコロナという状況になるのではと思うのですが。

もしかしたら台湾のようなコロナ抑え込みやゼロコロナ政策を諦め、アメリカやブラジルのようなウィズコロナ政策へ転換したのかも知れません。もしそうでしたら次期総理には「コロナは風邪だ」と就任会見で発言していただきたいと思います。

業務週報2021/36】