今年3月に名古屋入管の収容施設に収容されていた不法滞在のスリランカ人女性が急死する事件がありましたが、遺族の方たちが来日し真相解明を求める声が支援者や野党国会議員、毎日や朝日新聞などのマスコミから上がり炎上、国会で難民認定の手続き厳格化を盛り込んだ入管法の改正が断念されるという事態になりました。

この運動で象徴というか、広告塔の役割を担ったのが3月に名古屋入管の収容施設に収容中に体調急変で死亡したスリランカ人女性。もともと留学生として来日したのですが、学費が払えなくなり学校を除籍、不法滞在となり名古屋入管に収容されたのですが、同国人の元交際相手から脅され帰国を拒み、体調が悪くなったのにも関わらず入管は入院させず急死、法務省や入管がちゃんと処置していればスリランカ女性は死亡しなかったし、収容中のビデオを開示しないのは不誠実だし、今後も入管の収容施設に収容中の外国人の不審死が続発する恐れがあるので入管法の改正には反対だというのが支援団体の言い分です。

十数年前に短期査証で来日後、一家3人で不法滞在となったフィリピン人家族が日本生まれの長女の日本への定着性と家族の離散を避ける事を理由に家族の日本在留を求めたいわゆる「カルデロン一家事件」という問題がありましたが、結局長女のみ在留特別許可が与えられ両親は母国に帰国という痛み分けのような結末に。当時まだSNSは無かったですが、「調子が良い」、「全員強制送還しろ」という世論がほとんどだったと思います。

カルデロン一家事件やウィシュマさん入管死亡事件は「脛に傷を持つ外国人が人道的な理由や人権を根拠に寛大な処置を求める運動」と言えるでしょうが、昔と比べると在日外国人の数も増えましたし、在留資格の数も増え在日外国人の国籍も多様化しましたし、留学や技能実習、家族滞在など弱い立場の外国人労働者の受け入れがここ10年で急増し、正攻法で在留資格が取れない、コロナ不況も相まって在留資格の更新も変更もできない、永住ビザも取れない在留資格にお困りの外国人が増えていることの現れかも知れません。

そういう日本の在留資格や生活でお困りの外国人が最終的に頼るのがいわゆる「外国人支援団体」なのですが、これがまた玉石混交で当事者関連者の人たちが自主的にやっていたり、人助けが好きなお節介焼きの人たちがやっているところはまだ良いのですが、胡散臭い人、腹に一物ある人、善良そうに見せかけて外国人を逆に食い物にする魑魅魍魎が跋扈しているのも現実だと思います。長くなったのでそのへんはまた次回書きましょう。

【業務週報2021/20】