以前から不法滞在残留外国人や資格外活動許可の時間制限以上に留学生を使用したりしていると噂になっていたフードデリバリーサービス大手のウーバーイーツ(Uber Eats)ですが、遂に不法就労助長罪で警視庁に書類送検されるという事態に。

不法就労助長というのは在留資格のない外国人を雇ったり、在留資格で定められた活動以外の仕事をさせたり、留学や家族滞在の在留資格を持つ外国人にアルバイト以上の長時間労働をさせたりした時に科せられれる罰で、普通は日本人労働者が寄り付かない給与待遇の悪いブラック企業やブラック業界、衰退産業や、景気が良すぎて超人手不足で日本人が採用できない時に起こる犯罪、不祥事なのですが、みなさんもご存知の通り現在はコロナ不況で人は余ってますし、ウーバーイーツは最近できた新しいサービスで日本人も十分集まるはず、しかも外資系で代表者もまだ40代でマスコミにも度々有能な経営者として持ち上げられている切れ者女性のよう。なぜ不法就労者を雇う必要が無いと思われるウーバーイーツで不法就労助長が起こってしまったのでしょうか。

まず考えれられるのはウーバーイーツなどのフードデリバリーサービスがコロナ禍による巣篭もり需要で予想を上回る急成長を遂げ配送員が足りなくなったのではということです。配達配送の仕事は日本語が分からない、漢字が読めない外国人には難しいと思われがちですが、デリバリーサービスの場合スマホアプリで業務の指示を受けるため外国人でも出来てしまうのですね。ちょうどコロナ不況でアルバイトが無くなった留学生や職を失った元技能実習生などの生活困難外国人が大量発生し、不法就労先を探しているうちにウーバーイーツの本人確認が甘く、偽造の書類でも仕事ができることが外国人コミュニティーの中で有名になってしまったのかも知れません。

またウーバーイーツなどのフードデリバリーサービスの配達の仕事ですが、主に自転車を利用して行われるようで体力勝負、お金に困っている若い外国人は日本人の中高年者よりよく働くでしょうからで労働力として魅力的だったのかも知れません。外国人雇用の世界では在留資格が無い外国人や不安定な外国人ほど良く働くというのは常識です。またウーバーイーツが配達パートナーと雇用契約を結ばず、実質労働者であるにも関わらずパートナーと業務委託契約を結んでいるのは雇用保険や労災保険加入逃れだと非難されていましたから、不法就労助長も逃げ切れるのではと高をくくっていたのかも知れません。

この事件の最大の謎ですが、代表者が学歴的にも経営者としても有能であるにも関わらずこのような不祥事が起こってしまったことでしょう。普通不法就労助長は3K業種の零細な規模の企業で経営者が高齢化してたり無知だったりで判断力が無いような会社で起こりますが、ウーバーイーツだったら専門家も雇えるはずでしょうしこの事件も未然に防げたはず。「代表だった女性は「直接報告を受けていないので、分からない」と否認している」と報道されていますから代表者には内緒で不法就労助長が行われていたのかも知れませんが、もしかしたら「人は見かけによらぬもの」なのかも知れません。

ちなみに今月6月は「不法就労外国人対策キャンペーン月間」で入管や当局による摘発が積極的に行われているはず、外国人を雇用されていて社会的制裁を受けたくない人は下のパンフレットの一読をオススメします。

【業務週報2021/25】