今週緊急事態宣言が解除されるという報道がマスコミから一斉に流れました。新規入国外国人の入国制限も同時に解除されるという噂が立ったのであちこちに確認したところ、9都道府県の緊急事態宣言は解除されたが沖縄の緊急事態宣言が続いているため、緊急事態宣言は解除されたわけではなく延長されたのだという回答が(苦笑)。というわけで入国制限の解除は早くても7月下旬以降ということになりますが、いろいろ懸念すべき事項も。

まず以前から噂されていた失踪者を多数出したベトナムの技能実習生送り出し機関4社が技能実習生の新規送り出しを一時停止されるという処分を受けました。4社とも知っている送り出し機関ではなかったのですが、大手の送り出し機関も含まれているそうで、監理団体や技能実習生を受け入れている企業は送り出し機関の変更などの対応を迫られるところも出てきて新たな混乱が起きると思います。ベトナムの技能実習生の失踪率の高さはコロナ前から問題になってましたが、コロナショック後も衰えてはないというか自発的な自己都合による失踪も増加していると思いますので、質の落ちたベトナム人技能実習生離れが本格化するのではと予想していますが。

また先日サッカーワールドカップアジア地区予選にミャンマー代表として来日していたミャンマー人選手が帰国直前に飛行機への搭乗を拒否し日本での難民認定を宣言するという事件が起こりましたがこれも重大な懸念が。ミャンマーでは今年クーデター、政変が起こり日本でも在日ミャンマー人による軍事政に対する反対デモが各地で活発に行われていますし、日本政府もクーデターへの対応で帰国困難のミャンマー人に対し特定活動の在留資格を付与する措置を始めたそうなので、これから在日ミャンマー人の難民認定が流行るかも知れませんし、ミャンマーからの留学生や技能実習生の送り出しもしばらく安定しなくなるのではと予想されます。

こういう事を考えると、たとえ入国制限が解除されてもコロナ前と比べ外国人労働者の来日も外国人雇用も以前のように回復するかどうか微妙だと思うのですが。雇う日本の会社もコロナ不況で人手不足が解消され逆に人余りになったところが多いでしょうし、潰れるところは潰れたでしょうし、入国制限で振り回され外国人雇用から日本人雇用にシフトした企業もあるでしょうから。

というわけでワクチン接種やワクチンパスポート導入で今年下半期には入国制限は解除されるでしょうが、外国人労働者や外国人雇用の戻りは遅いか以前の水準には戻らないと予想してみました。1年後はどうなっていることやらです。

【業務週報2021/24】