先日台湾のニュースをチェックしていると面白い記事が。台湾は今コロナの状況が酷く、特に飲食店では店内営業禁止テイクアウトやデリバリーのみなど日本以上の厳しい措置が取られているのですが、雇用を維持するためと違法闇営業を防ぐために営業を自粛した企業に休業補償や補助金が支払われる事になったそうです。日本で言うと雇用調整助成金や持続化給付金、家賃支援給付金みたいなものだと思われます。しかし台湾の場合、それらの補助の受給に国籍要件があり外国人が経営者だと補助が受けられないという記事でした。

記事中で日本人の経営者は「税金や社会保険料を納めているのに支援を受けられないのは不公平だ」とコメント、気持ちは分かりますがこういうのが海外に移住、生活したり、商売をする時のリスクだと思いますし、納税や法令遵守はビザや在留資格のための最低条件で守らなければいけない当然な事、ここは「台湾に投資してるんだ」、「台湾人雇ってるんだ」と主張すべきだったかも知れませんね(結局この陳情が聞いたのか永久居留証の外国人経営者は補助を受けられるようになったそうです)。

日本でもコロナ不況で外国人の生活困窮者が大量に発生しています。特に状況が悪いのがアルバイトで生活費と学費を工面するはずだったのにアルバイトがコロナで消滅した私費留学生と勤務先を失踪した元技能実習生で支援者や宗教団体が運営するシェルターや駆け込み寺に保護されたり、知人友人などの同国人ネットワークを頼ったりして凌いでいる外国人が多いみたいですが、支援が行き届かずホームレスになったり悪い同国人同士でグループを組み犯罪行為をというニュースも目立ってきました。

日本の場合、10万円の特別定額給付金も在留資格がある外国人には日本人同じように配られましたし、社協の緊急小口資金20万円も最大200万円の総合支援資金は返済能力があるように思えない留学生でも貸し付けられるそう、外国人が経営する会社でもコロナにより売上が減少したことを証明できれば持続化給付金や家賃支援給付金も受給できるなど、在日外国人に対する経済的な支援は日本政府結構頑張っていると思うのですが、コロナで一番困窮している在留資格の無い不法残留外国人には公的な支援はできないでしょうから難しいものです。

国籍ですとベトナム人の生活困窮の報道がとても目立ちますが、分母の大きさもさることながらベトナム政府が国外にいるベトナム人の帰国を制限していて帰国航空便を積極的に運行しないため母国に帰りたいのに帰れない帰国困難者が多いのが一因だと思われます。外国で困れば大使館や領事館に助けを求めればとお考えの方もいるでしょうが、今回のコロナショックはベトナム人の生活困窮者が多すぎてベトナム大使館も対応できかねないのかも知れません。タイやフィリピンにいる日本人の困窮邦人が大使館に助けを求めても経済的な事情に対する救助は断られるそうですし。

このように日本人が海外に移住しても、外国人が日本にやってきても今回のコロナショックみたいに異国で生活困窮に陥ることは十分考えられます。異国にいますと母国の政府の援助も移住先の政府や自治体からの援助もあまり期待できませんので、少なくとも当座の生活資金や帰りの航空券代は確保しておくことをオススメします。

【業務週報2021/26】