疑わしきは不許可にという入管の原則

前回、入管局への在留資格の申請の立証責任は申請人側にあり、立証が確かでなく白黒はっきりしないグレーな案件の場合入管は申請を不許可(不認定)にする「疑わしきは不許可にという入管の原則」について書きました。

ではなぜ入管局はグレーな案件を許可せず不許可にするのでしょうか。怪しい案件でも不許可にせずに許可したほうが申請人の再申請する手間、入管側も再審査する手間が省けてWIN-WINだと思うのですが(苦笑)。

一つには「石橋を叩いて渡る」という日本人の慎重な民族性が出ていると思います。怪しいグレーな申請や案件にOK出して後で問題になるなんてことは民間企業ならいざ知らず、日本の役所や役人はまずやらないでしょうから。

あと入管局特有の理由として、外国人からの申請が多くため他の役所と比べ偽造の書類を使った申請や内容が虚偽の申請が多いという特徴があると思います。日本で働くため、住み続けるために外国人が嘘をつかせてしまうほどまだアジアの発展途上国と日本とは賃金や生活レベルに差があるのですね。

許可して後から不正や虚偽の申請だと分かると面倒なので、グレーな案件は一旦不許可に、文句や異論があれば裁判を起こすなり、再申請して疑義を払拭してくださいというのが入管局のスタンスだと思いますね。

またそういう虚偽の申請、偽造の書類を使うのは発展途上国出身者が多いという見方を入管局はしていると思います。そのため欧米出身者とアジアなどの発展途上国出身者との申請では同じ在留資格の同じ申請でも審査や書類に差を付けるのですね。入管局は申請人を雇用する企業の大小でも書類や審査に差を付けるいわゆる「カテゴリー制」を公式に実施していますが、国籍により審査や書類に差を付けるのは非公式です。

日本社会が「人間は悪いことはしない」という「性善説」に基づいて制度が設計されているのに関わらず、入管局については「人間は悪いことを考えている」という「性悪説」に基づき運営されているというのは、やはり日本に来る外国人の中で入国するため、日本で合法的に生活するためには平気でウソを付く外国人や利害関係者が結構いるということではないかと思ってますがどうでしょう。

難民や外国人支援をしている日本人たちは「性善説」に基づき行動しており、純粋というか人を疑う事をしない人が多く、入管の「性悪説」に基づいた発展途上国出身者に対する蔑視を納得できないのでしょうが、実際は神のみぞ知るという話かも知れません。

【業務週報2021/28】