先日宮城県でバイトに向かう留学生の集団を乗せた貸し切りバスが高速道路上で故障、路肩に車輌を寄せ修理を試みていたところに後ろからトラックが突っ込み運転手の日本人女性とネパール人留学生2名が亡くなるという惨事にという報道が。

去年私の住む街でも外国人労働者が乗る送迎バスが日本人の運転する一方通行逆走車と衝突し横転、まだ20代の若いインドネシア人技能実習生が亡くなるという事故がありましたが、治安の良いはずの日本で本人の過失も無いのに若い命が失われるというのは悲劇以外のなにものでも無いような気がします。特に今回亡くなられたネパール人留学生2名は自主的に修理の手伝いを買って出て事故に巻き込まれたそうで2001年に東京新大久保で起きた韓国人留学生による新大久保駅乗客転落事故を彷彿させられました。

愛知豊橋バス横転事故と韓国梨泰院ハローウィン圧死事故

しかし今回事故に遭った留学生の集団は仙台市にある日本語学校や専門学校に在籍していたそうなのですが、わざわざ隣県の岩手の工場までバスで高速道路を使って夜勤のバイトに通っていたと聞きビックリ、コロナ前に偽装留学生や勤労デカセギ留学生が問題となりましたが状況は今もそれほど変わってないのかも知れません。留学生30万人計画や今後行われる40万計画はこういう本人のバイト代で生活費と学費を支弁する勤労出稼ぎ留学生の存在無しには達成不能でしょうから今後もこういう流れは変わらないのかも知れません。

昨年2022年3月に在留カードを持つ中長期外国人の受け入れが再開され日本語学校や専門学校で学ぶ外国人留学生が戻ってくるようになりましたが、以前留学生をアルバイトとして積極的に雇用し労働力として活用していた飲食業や宿泊施設がコロナ禍で潰れ以前のように簡単にバイトにありつけなくなっているようです。宿泊業はインバウンドが急回復しているので人手不足なのですが、公共交通機関の無いような辺鄙なところにある宿泊施設も多いですし住み込みで週40時間フルで働ける技能実習生や特定技能外国人を雇用したほうが人手不足解消に有効という判断もあると思います。

去年起こった知床観光船沈没事故のときも思いましたが、緑の営業ナンバーがついたバスが整備不良で高速道路で故障し、これまた営業ナンバーのついたトラックが前方不注意で衝突し死傷事故が発生するというのは日本の許認可制度の形骸化を象徴するような事故、ドライバー不足が問題になっているので公共交通機関ももはや安全な移動手段では無くなってしまったということかも知れません。

今回の事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますとともに適切な留学生の受け入れや在留を日本政府にお願いします。【業務週報2023年5月第4週】

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