前回は台中五寶爸の事件を通して台湾の貧困家庭出身の男女が結婚し子沢山で貧困が遺伝してしまったり、過剰なネットリンチが起こる例を紹介しましたが、今回は先月起こった鳳山霸凌事件を紹介したいと思います。

台中五寶爸という日本人が知らない台湾

鳳山霸凌事件は台湾の高雄の鳳山という地区で2021年の1月に起こった事件で、まず19歳の少女がお金の貸し借りのトラブルで集団暴行を受けた動画がネットに投稿されたのをマスコミが拡散し台湾社会に認知されました。

ネットやマスコミの報道を見た人たちが炎上、今度は集団暴行に加わった19歳の少年が、義憤に駆られた集団に身元を捜索され集団暴行を受け骨折させられ、少女に謝罪する動画をネットに投稿。また暴徒は少年の家にも押し寄せ、ペンキや生卵、爆竹を投げ付ける騒ぎを起こし6名が取り調べを受ける事態に。

このような悪事を働いた者に対する当事者や関係者でない者による報復行為を台湾では私刑正義、鄉民正義と呼ぶそうですが、台湾のニュースをチェックしているとちょくちょく起きているのですね。昨年ですと台湾台南でマレーシア女子留学生が変質者に殺害された時に、変質者の実家に生卵が投げつけられましたし、台湾新北市で実の子供を暴行した父親がネットで自宅を捜索され見ず知らずの集団から暴行を受ける事件が起きています。台湾人は日本人が思っているよりずっと短気で攻撃的な性格なのかも知れません。

また台湾は世界有数のIT先進国だと思いますが、私刑正義という不法行為にスマホやネットが活用されているのは負の面と言わざるを得ないでしょう。日本でベトナム人労働者が同国人の借金取りに拉致監禁されスマホで暴行される様子を母国の家族に見せてという事件が昨年位から立て続けに起きていますが、台湾では数年前から行われていましたから。

鳳山霸凌事件の発端となったお金の貸し借りも台湾では日常茶飯事とまでは言いませんがよくあるトラブル、今の日本は身内や知人にお金を貸したり借りたりする事はあまり無いでしょうが、台湾だと金融機関に払う金利が惜しいのか結構大きいお金でも身内、知人から借りて返さずという事態が。そうすると今度はその債権回収を反社組織に依頼したり、売ったりで更にトラブルが拡大するのですよね。

台湾は親日国家で日本人が住むには良いところだと思いますが、台湾人と国際結婚されて移住されると、台湾側の親戚付き合いで苦労されることもあると思います。私のように「日本製ATM」にならぬよう、家族や親戚からのお金の無心には断固とした措置を取ることをオススメします(笑)

【業務週報2021/07】