今年は長梅雨かつ梅雨寒だったせいか、その後の猛暑酷暑が凄まじい夏となってしまいましたね。暑さで注意力が散漫となったり判断力が鈍ったりするのか、外国人労働者、特に技能実習生の労災による死亡事故が立て続けに起こってしまいました。

まず、8月22日に長野の農場で落雷があり、レタスの植え付け作業をしていた外国人労働者が被雷、スリランカ国籍の男性が死亡、タイ国籍の女性が重体という事故。被害者の在留資格は明らかにされていませんが、農業に従事する外国人で多い在留資格は技能実習か特定技能、あるいはコロナ特例の帰国困難特定活動なのかも知れません。特に農業はコロナによる入国制限で新規の技能実習生や特定技能外国人の入国が足止めされており人手不足、さらに天候不順で野菜の育ちが悪かったりで無理をしていたのかも知れません。

8月23日には新潟でワゴン車が単独で2名死亡4名重軽傷という事故を起こし、乗っていたベトナム人の技能実習生が死亡という報道がありました。建設の技能実習生でしょうがもともと労災事故が多い職種ですし、日本全国の工事現場を渡り歩くのでこういう移動中の事故に遭遇することも他の職種と比べ高いと思います。

最後に沖縄ではえ縄の漁船が出漁中音信不通になり捜索したところ転覆した漁船を発見、1名のインドネシア人技能実習生を救助しましたが、日本人船長とインドネシア人技能実習生2名が行方不明という報道。当時台風8号で現地は大荒れの天気、更に救助された技能実習生は救命胴衣を支給されてなかったと証言していることなどからこの事故も起きるべくして起こったような気がします。

技能実習生や特定技能外国人の働いている会社は小規模零細企業が多いせいでしょうが、労災が多発する背景は元々技能実習や特定技能の職種に労災が多い3Kの職種が多いのと、日本語が余り理解できない外国人に現場作業をやらせるという話かも知れません。

話は変わりますが、先日北関東の畜産農家から牛や豚や鶏が大量に盗まれるという報道がありました。畜産は技能実習の職種なので盗まれた農家さんで技能実習生を雇用しているところもあると思います。台湾や香港で外国人介護ヘルパーやメイドの雇い主が外国人メイドに虐待や賃金未払いなどをすると外国人メイドは雇い主の子供をイジメたり、介護ヘルパーは介護する雇い主の親に暴行を働いたりするんですね。直接雇い主に抗議してもほとんど勝てませんから。北関東の家畜泥棒はこれと似た構図なのかも知れません。

今まで技能実習絡みで一番ひどい事件といえば2013年に起きた「江田島中国人研修生8人殺傷事件」だと思うのですが、こういう最悪の事件が再び起きないよう労使間仲良くしてもらいたいと思います。