2022年3月から外国人労働者や留学生の受け入れが再開され長い間入国を待たされていた技能実習生がようやく大挙来日しましたが、同時に円安が進行、3月は1ドル115円だった円が10月現在148円という数十年ぶりの超円安局面に。

技能実習生は本来技能の習得のために来日するはずなのですが、実際には雇い主は人手不足解消や安い労働者の確保、技能実習生側は海外就労して貯金送金するのが目的らしく、このような超円安状況になると来日して日本で就労しても送金額が目減りしてしまうのですね。今のような超円安が続いて日本政府や監理団体、実習実施者が何も対策を講じなければ今まで日本に来ていた技能実習生も半導体景気の台湾などの日本より給与待遇の良い国を目指すようになるのではないでしょうか。

既に日本にいる技能実習生も超円安で貯金仕送り額が当初の目標に達しなくなるという状況でしょうし、それが原因で現役技能実習生のお金目当て犯罪や失踪した元技能実習生による犯罪が増えているように感じます。本当でしたら日本政府や企業が超円安による差損分を補填してあげるくらいの事をすべきなのでしょうが、それが出来ないために技能実習生のモチベーションが下がり失踪や犯罪が多発しているような気がします。

私は現在技能実習生や特定技能外国人の仕事はしていませんが、日系ブラジル人労働者の給与待遇を見るとコロナ禍で技能実習生や特定技能労働者が入国出来なくなったことによる人手不足で逆に上がっており2022年現在では時給1800円くらいの水準に上がっていますし、残業や夜勤をやれば割増賃金もしっかり付くでしょうから、賃金待遇が上らない技能実習生や特定技能外国人との賃金格差は倍くらいになっている状況です。このくらいの給与待遇を保障すれば技能実習生も一生懸命働くと思うのですが。

超円安で輸入品の価格が高騰して値上がりラッシュとインフレが起こっていますが、労働者の賃金は上らず日本国民の困窮の度合いがますます高まっています。ただ外国人労働者の場合、別に日本での労働を強制されているわけでもなく、他の選択肢やもっと稼げる国があればそちらに労働力は流れてしまうということでしょう。

十年前チャイナプラスワン戦略の一環として受け入れが始まったベトナム人技能実習生ですが、そろそろ使命を終えつつありますし、送り出し国の転換やAIロボット化で省人化を図っていくことも技術の進化で可能になりました。以前と比べ安くも無くなりトラブルが多発している労働力としての技能実習生の受け入れを再考するときなのかも知れませんよ。【業務週報2022年10月第3週】

 

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