先日台湾のニュースをチェックしていると興味深い記事が。台湾で働くベトナム人労働者の月給が6万元(約24.5万円)と一般的な台湾人の若者の2倍も稼いでおり、台湾人が称賛したという記事です。基本給は最賃金の2.5万元で残業と休日出勤の長時間労働で稼いでいるというオチがあるのですが、残業規制の少ない台湾ではまだまだこういう働き方で稼げてしまうのですね。

こちらのブログに日本で働くベトナム人エンジニアの給与明細が載っていましたが、技術者であるのに関わらず月給17万円(約4.1万台湾元)という低さ、円安為替のせいもありますがベトナム人労働者は既に台湾のほうが日本より稼げてしまうのですね。在日ベトナム人、技能実習生の失踪や不法滞在、犯罪への関与が問題になっていますが、コロナ不況による生活困難もさることながら、給料が安すぎて稼げない貯金送金できないというところに根本的な原因があるように思えますがいかがでしょうか。

そういえば、この前北海道で食品製造会社で働く特定技能のベトナム人労働者40名がストライキを起こしたという報道がありました。月7千円固定で給与から天引きしていた水道光熱費を寒波到来と電気代高騰のため今年の冬から実費徴収にしたら月1.5万円ほどになりベトナム人労働者側が怒ってストライキを起こしたそう。北海道だと最低賃金も安いですし特定技能でも都会と比べると大分見劣りがする給料、それでいて気候は厳しく少子化で人手不足は深刻で外国人労働者に労働力を依存しなければならないという矛盾があるように思えます。

日本と台湾は外国人技能実習生と外労という似たような制度で人材争奪戦を繰り広げておりますが、日本では2019年に特定技能の制度が作られ台湾でも今年4月に台湾版特定技能の制度が作られる予定です。台湾の単純労働6年+中級レベル労働5年で永住申請可能という点は日本の技能実習3年+特定技能1号5年+特定技能2号5年より緩いですが、永久居留証を取るための所得要件は最低賃金の2倍ほどの月収が要求されており現状ですと厳しい状況です。しかし2028年には日本と台湾のGDPは逆転するという予測も出ているので数年後には台湾の最低賃金も4万元(約16万円)~5万元(約20万円)のレベルまで上昇していくと台湾政府は想定してるのかも知れません。

台湾の現在の好景気は半導体産業の好業績のおかげですが、現在台湾の半導体製造企業が日本の熊本に建設中の生産拠点も日本メーカーより高待遇で日本人技術者の採用をしているそう。ベトナム人労働者はおろか日本人労働者も待遇の良い台湾や台湾企業で働く時代が到来したのかも知れません。日本政府も日本企業ももっと真剣に労働者の賃金上昇や待遇向上を考えていかないと高給取りの優秀な外国人労働者は日本に来なくなり日本好きアニメ好きな外国人労働者しか日本に来なくなると思いますが優秀な外国人に仕事を取られたくない日本人が多いのかも知れませんね。以上閑話でした。【業務週報2022年3月第3週】

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