先日、日系ブラジル人のお婆さんから永住許可申請の依頼を受けたのですが、何とその方和暦で言うと昭和10年、西暦で言うと1935年生まれの御年87歳、私がいわゆる永住ビザを依頼された中では最高齢ですし、日本中でも最高齢記録ではないかと勘ぐっていますが(苦笑)。
その方、ブラジル生まれの日系2世で長い間ブラジルで一人暮らししていたそうなのですが日本に住む息子さんが心配し数年前日本に呼び寄せられ息子さん一家と同居、頭も体も全くの健康体で矍鑠としており永住ビザが欲しい理由も「息子の世話にはなりたくない(苦笑)」と昔の日本人みたいな感じで感心させられました。
永住申請も帰化も若いうちにしておいたほうがメリットが多くありますし書類も少なくて済むのでオススメなのですが、数年前に永住許可が厳格化され要件を満たせず申請できない、申請しても不許可になってしまう外国人の方たちが増えているのが現状、数十年後には「永住難民」みたいな外国人が多数発生してしまうと危惧していますがいかがでしょうか。数十年も日本で生活していたら母国に帰ることもできないと思うんですが。
在日韓国人や中国帰国者、インドシナ定住者は当然ですが、1990年の入管法改正により受け入れが始まった日系人も高齢化が進んでいます。受け入れの初期では日系人もデカセギ気分で来ていましたし、受け入れる日本側もこんなに定住化が進み滞在が長期化するとは思ってなかったので年金加入のことなど考慮していなかったはず、結局年金貰える年齢になって受給額を確認してみるととんでもない低年金でという笑うに笑えない笑い話が日本全国で起こっていると思うんですが。在日外国人の低年金無年金や介護、お墓の問題が今後起こると思いますが受け入れる日本側は何か対応策や対応ができるのでしょうか。
こういう事態を避けるために移民はなるべく受け入れず外国人技能実習制度で実習期間に上限を設定し若い労働力を確保し回していたのですが、少子高齢化による人手不足や労働力不足が深刻になる一方で技能実習3号や特定技能1号2号が出来たりして技能実習制度や特定技能の制度がなし崩し的に拡大していて技能実習制度自体が移民受け入れの手段化みたいになってしまったのは皮肉なものです。
これから数十年間日本の人口が減るのは確実で、人口の維持や労働力の確保のために日本政府が移民であれ技能実習生であれ留学生であれ外国人の受け入れを進めていくのは確実です。外国人との共生社会の実現に向けたロードマップという外国人の受け入れに関する工程表が政府から発表されましたので興味のある方は一読をオススメします。
【業務週報2022年6月第4週】