毎年12月から入管局で就職の決まった留学生の留学から技人国への在留資格変更許可申請の受付が始まり、卒業が決まった留学生が学位記や卒業証明書を持って新在留カードを受け取りに来庁する3月末まで入管局が大混雑する時期なのですが、今年はコロナでその光景も一変、非常事態宣言は解除されたのに何故か続けられている新規入国の外国人の入国制限も相まって待ち時間ゼロ分の入管局ガラガラ状態が続いております。

私の事務所もここ数年は結構な数の留学生の就労ビザへの変更申請の依頼があったのですが、今年は何と3件のみ、しかも3名とも国籍は日本人が嫌いな某国で、旧帝大の大学院留学生、就職する企業も巣ごもり需要で業績好調な外資系と、このコロナ禍では相当優秀な留学生でないと就活に成功できないことを実感させられました。変更許可も当然許可されましたし5年の在留期間が出ましたが。

アベノミクス時にアジアの発展途上国からの留学生が隠れ労働力として注目され、ベトナムやネパールからの留学生が急増し2019年には留学生30万人計画が数的に達成されましたが、その直後にコロナショックが発生、海外大卒の日本語学校の留学生や専門学校卒の留学生の場合、ビジネス系や観光系ですと今まで受け皿になっていたインバウンド業界がコロナで外国人旅行客が来れなくなり需要消滅、就職口自体がない状況でしょうから、日本での就職を希望しているのにも関わらず就職できなかった留学生が多かったのではないでしょうか。

以前ですと日本で専門学校や大学を卒業しても就職できなかった留学生は母国に帰国するか特定活動の在留資格に変更し就職活動を続けるかの二択でしたが、特定技能の在留資格が出来てからは特定技能試験に合格し特定技能の在留資格に変更するという選択肢が増えました。介護や農業はコロナ不況にも関わらず人手不足だそうなので試験に合格し特定技能の在留資格で日本に在留するというのもアリなのかも知れませんが、20代の若者が日本に留まるために専門外の職業に就くというのは本人のキャリア形成のためにどうなのかと疑問符が付きます。人手不足の介護施設や農家、特定技能の利用率向上を目論む日本政府の策略に留学生がはまってなければよいですが。

日本のコロナ不況も先が見えずまだまだ長引きそうですし、バイトの激減した留学生の生活苦が引き続き問題になっています。日本語学校の学費が払えなくなり学校を除籍、不法滞在となり入管に収容されたスリランカ人女子留学生が収容施設内で不審死するという事件が今月起こってしまいましたが、留学生の苦境を象徴する出来事だと思います。コロナが終息して経済が回復するまでは留学生は日本に来ないこと、日本は以前のように経費支弁のしっかりしていない留学生を受け入れるべきではないと思いますがいかがでしょうか。

【業務週報2021/13】

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