昨年コロナにより企業の在宅勤務が増えたり役所の三密対策で「押印廃止」が話題になりましたが、2021年になり遂に押印廃止の波が実務にも到来して現場に混乱が。今年は1月4日が官公庁の仕事始めだったのですが、昨年まで役所に提出する申請書に必須だった申請人の押印が必要無くなったのです。

私が確認したのは、警察署、運輸支局、入管局ですが、押印廃止されたことで申請人の利便性は向上する一方、虚偽の申請もやりやすくなったわけですから一長一短というか私のような代行業者は疑心暗鬼になっている人が多いような。嘘の書類で車の名義変更や不正に在留資格を取ることができてしまうわけですから。

今後は紙の申請からオンライン申請に移行していくと思いますが、役所との確認折衝が必要な要件が厳しい許認可の場合オンライン申請は難しいでしょうし、実印の代わりになるマイナンバーカードの取得も進んでいないようですし、高齢化が進む一方の我が国ですから、簡単には行かないと思いますが。スマホを操作できない高齢者向けに「オンライン代行センター」でもやれば儲かるのかもしれません(苦笑)。

昨年コロナや営業自粛による売上や所得の減少を補填するために法人200万円、個人事業主100万円の持続化給付金という制度が作られましたが、これも職業や売上を偽る虚偽の申請が相次いだようですが、年明けには沖縄で税理士兼行政書士が逮捕される事態に。

持続化給付金の申請は受給を迅速にするためにオンラインのみやチェック事項を最小限に留めていたそうですが、そういう役所側の配慮を逆に悪用するブローカーや資格者がいるのですね。ブローカーが不正行為に加担するのは当然でしょうが、資格者が虚偽の申請を代行してしまうというのは制度の根幹を揺るがす行為として糾弾されても仕方がないことかも知れません。

もしかしたらコロナ不況で売上が下がり事務所経営が苦しい中、職務上の知識から不正申請がやりやすい事を知り、不正に加担してしまったのかも知れませんし、こういう話に身につまされる同業者も多いかも知れません。

コロナ不況とオンライン申請の開始というダブルショックをどう乗り越えるかというのは2021年の資格者の課題なのかも知れません。前者は不況が通り過ぎるのを待っていれば良いでしょうが、後者は逃げる事ができず対応せざる得ないでしょうから。対応できない業者は資格者と言えど淘汰される事でしょう。コロナによりいろいろ社会に変化が起こりはじめているので才覚がある人にはチャンスですので頑張ってください。

【業務週報2021/03】

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