ネットでニュースをチェックしていると作家の梁石日(ヤンソギル)さん死去の報道が、昭和11年生まれの享年87歳で死因は老衰だったそうですから大往生なのでしょうが若い時好きで出版された作品はあらかた読んだはずなので一抹の寂しさが。いわゆる「在日文学」を確立され良くも悪くも在日韓国朝鮮人のイメージは梁さんの小説から受けた日本人が多いと思いますがいかがでしょうか。

梁石日さんは長い文章を書くのが上手で違う小説を呼んでいても話や内容は同じということが結構ありましたが、私が好きだったのは「夜を賭けて」、「修羅を生きる」、「睡魔」あたり、梁石日さんの自伝的小説を読むと私が生まれる前の貧しかった日本で最下層だった在日の生活がいきいきと描かれていて勉強になりましたね。

「夜を賭けて」は高度成長前の大阪で食い詰めた在日のアパッチ族が当時大阪城横の空襲で壊滅した軍需工場跡に夜な夜な鉄くず泥棒に忍び入り取り締まる警察と一悶着という話なのですが、何と実話で梁石日さんもアパッチ族のメンバーだったそうで驚き。特別永住者の在留資格創設の経緯や韓国からの密航事情、悪名高い大村入管収容所などのことも描かれていて一読オススメです。

話は変わりますが現在、失踪した不法滞在の元外国人技能実習生による太陽光発電所の銅線ケーブル窃盗が大流行、何故かカンボジア人の犯行が目立つのですが、これは令和のアパッチ族と言えるのではないでしょうか。

カンボジアからの技能実習生は2010年代にちょっと世話したことありますが、母国で十分な教育を受けておらず日本語の習得にも時間がかかる、会社勤めするのも日本が初めてで手がかかる子が多く、こんな子たちを受け入れて大丈夫かと思いましたが、やはり仕事が覚えられなかったり、遅かったり、職場でイジメられたりという問題もあってか次第に失踪者が増え、北関東にカンボジア人不法滞在者コミュニティーが出来て、手っ取り早く稼げるメガソーラーの銅線ケーブル泥棒に行き着いたという流れなのではないでしょうか。

昭和アパッチ族は日本が高度成長期に突入し在日にも雇用が生まれたのと帰還事業で食い詰めた在日が北朝鮮に向かったので自然消滅しましたが、令和のアパッチ族はどうやって壊滅させるのか、コロナ後不法滞在外国人も外国人犯罪も増え良かった日本の治安も高度成長期前に逆戻りしたみたいな状況ですが行く末を見守って行きたいと思います。【業務週報2024年7月第2週】