2019年に開始されたのちコロナ禍を挟んだこともありますが利用率が極度に低迷している「日系四世の更なる受入制度」ですが、利用促進のための改善策がようやく発表、パブリックコメントで2023年12月まで意見募集がされております

利用率低迷の原因ですが、1)30歳までの年齢制限、2)最長5年の在留期間、3)家族帯同不可、4)サポーター(保証人)が見つからない、4)日本語要件、などの要件が日系3世やその配偶者までに与えられる「定住者」の在留資格と比べ厳しく申請人である日系4世の反発を食ってしまったのですね。

私もブラジルに定期的に行っているので分かるのですが、ブラジルは南米の楽園でとても良いところなのですが、治安と雇用が日本と比べると圧倒的に悪くコロナ後も改善の兆しはみられず、国外への移住、就労を希望するブラジル人が多いのですね。日系人の場合は在留資格が取れる日本での就労が一般的で1990年から受け入れが始まりました。

日本はまだまだ治安も雇用もブラジルと比べて良いですし、日本に住む日系ブラジル人も90年代の受け入れ当初は所謂単身デカセギ者が多かったですが、今は家族帯同して子供を日本で学校に通わし日本でマイホーム買ってという定住移住型の人たちが多いと思います。

物価高騰と超円安で貯金や仕送りが出来なくなった外国人技能実習生や特定技能外国人労働者の日本離れや失踪、外国人犯罪がコロナ後問題になっていますが、定住型の日系ブラジル人はもともと貯金仕送りが目的で来日する人たちは少なく、今でも来日を希望する日系ブラジル人が多く安定感があります。留学生や技能実習生などと違いブローカーを使わなくても良い就職先があれば勝手に日本に来てくれるのですね。

問題の多発している技能実習制度は来年新制度に移行する事が決定し、転職可や日本語能力要件化などいろいろ使いづらくなり少子化と合わせて人手不足が一層進むことが予想されます。特定技能外国人も賃金待遇の悪い地方を見捨てて都会や都市部に移る動きをしていますので技能実習生も新制度移行後同じ行動を取ると予想されますが、日系ブラジル人の場合物価の高い都会よりサンパウロ州の田舎のような生活のノンビリした地方を好む傾向があり、技能実習生に逃げられるような地方でも日系ブラジル人なら定着する可能性は十分あり得ると思います。ブラジル人集住都市の島根の出雲市や福井の越前市が好事例ではないでしょうか。

低賃金で優秀な外国人労働者が受け入れられた良い時代はもう終わりを迎えたようです、適正な賃金で能力そこそこの外国人労働者を安定的に受け入れ、受け入れ体制をしっかりし地域で外国人犯罪や教育の問題を起こさない、100年後に禍根を残さないようにする覚悟が必要だと思います。そのためには日系4世の受け入れを拡大すべきだと思いますがいかがでしょうか?業務週報2023年11月第3週】