先日岡山県の建設会社が雇用するベトナム人技能実習を暴行する動画が支援者経由でマスコミに流れSNSで大炎上する事件が。

技能実習制度にも良いところがあるのを知っている私からすると非常に残念ですが、一部の業者の不祥事により業界全体が非難の嵐にさらされ技能実習制度に対するイメージが低下する一方です。技能実習業界の方々が参加されているSNSを見ていると、「(パワハラは)建設業が悪い」とか「(高額手数料を取る)ベトナムが悪い」という意見が多く見られましたが、詳しいことを知らない一般の人からするとそんなのは言い訳にしか見えず、「技能実習制度=奴隷制度、即廃止しろ」という意見がネット上で主流になっているような気がします。

それ以外にも日韓台との人材獲得競争で技能実習生もかつてのような安い労働力では無くなってますし、転職出来ない、日本で妊娠出産すると強制帰国させられるなどの以前はお約束で問題にならなかった問題が今では裁判沙汰になってしまうような世知辛い世の中、それでいて日本に来る技能実習生の質も落ちトラブルが多発している現状を考えると、技能実習生を雇うのは割に合わないと考え技能実習生の受け入れを止める企業が増えてくるのではと予想しています。

https://twitter.com/officeshibata/status/1482663432033902597

2019年に新しくできた在留資格特定技能は技能実習の在留資格の改良版みたいな感じで特定技能外国人は転職も出来ますし結婚妊娠出産も許容されているようで特定技能外国人側からすると歓迎だと思いますが、雇う企業からするとこれまた採用コストや人件費、待遇を良くしないと優秀な人材は獲得できない、地方から賃金の高い都市部の企業へ引き抜かれるという問題が現状あるようです。技能実習と比べ職種も14と少ないですしあまり人手不足解消に役立っておらず、日本政府や技能実習廃止論者が言うほど有用万能な在留資格とは思えないのですがいかがでしょうか。

一方、新型コロナウイルスによる入国制限で外国人労働者や技能実習生が新規入国できなくなってもうすぐ2年経ちますが、人手不足を解消をする手段として自動化やロボットの活用がようやく実用化の段階に入って来たようで、今まで技能実習生や外国人留学生がやっていた仕事を代替するようになって来ています。10年前にこれらの技術が出来ていればアベノミクス下の人手不足で行われた技能実習生や外国人留学生、果ては偽装難民外国人までを労働力として受け入れるなんていう愚策をしなくても良かったはずですが、やはり「必要は発明の母」と言って今回のような入国制限で今までのように外国人労働者が入国出来ないという非常事態でこそこういう新技術の導入が図られるのですね。

ベトナム人技能実習生の次に来るのは特定技能外国人なのかロボットなのか、これからも注視して行きたいと思います。【業務週報2022年1月第4週】

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