先週台湾南部の高雄市で深夜ビル火災があり46名が死亡するという大惨事に。台湾史上2番目の火災事故だそうです。また犠牲になられた方の多くは所謂「下流老人」と呼ばれる独居老人ということで台湾では大きな話題になっています。

火災事故があったビルは下が商業施設で上がマンションという台湾によくあるタイプの建物だったのですが、1981年に建てられた後、ビルのあった地区の衰退により商業施設が撤退し管理が行き届かなくなり、マンションの住民も高齢者や外国人、失業者や訳あり人間だらけとなり、下の潰れた商業施設はホームレスのたまり場や住み家になってしまったそう。火災の直接の原因も50代のホームレスカップルの火の不始末だったようですが、消化器が備え付けられていなかったり、防火扉は何者かに盗まれ高齢者の住民は避難できずこんな大事になってしまったようです。

しかし台湾はコロナの抑え込みには成功したのに、今年は4月に49名死亡の鉄道脱線事故、そして今回の46名死亡のビル火災が発生。感染症は防げるのに事故や人災は防げないのは何故でしょうか。ヒューマンエラーが多い国民性なのに事故予防に注意が払われて無いような気が日本人の私にはしますが。

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台湾も日本同様少子高齢化に歯止めがかからず労働力不足のために外国人労働者の受入れに熱心な国ですが、こんな形で限界マンション問題があらわになるとは皮肉なもの。台湾特有の問題として所有権が複雑でマンションの建て替えや区画整理、都市再開発が難しく台湾全土にこのような限界マンションや建て替え不能な商業ビルがあり問題となっているようなので今後法改正があるのかも知れません。

日本も今後団塊の世代や団塊の世代ジュニアが高齢者となっていきますので団塊ジュニアが死に絶えるまでの今後50年位は介護が重要な問題になるはず。私もそうですが団塊の世代ジュニアは就職困難だった氷河期世代と被っており老後資金も余裕が無い人が多いでしょうし、非婚晩婚出生率低下で自分の身内や子供に老後の面倒を頼める人は少ないと思います。介護は省人化やロボット化が難しい職種なのでどうしても労働力が必要となりますが、給与待遇の悪さから日本でも台湾でも介護職は本国人に避けられる傾向があり外国人労働者が活用されていますが、外国人にもなるべく避けられてしまうんですよね。

最後は取り留めのない話になってしまいましたが、やはり少子高齢社会では国家はいつか行き詰まりますので日本も台湾も少子化対策をしっかりやって産めよ増やせよで子供の数を回復させ再び富国強兵を目指して欲しいものです。【業務週報2021/42】