日本に住む外国人は永住者にはなりたがるが、日本人にはなりたがらない。在留資格にもよりますが数年日本に住み法務局で帰化申請をし許可されれば日本国籍を取得でき、日本のパスポート取得や選挙権などを持つことできるようになるのですが、外国人に取っては面倒な手続きで、元から諦めてしまう人や途中で断念してしまう人が多いのですね。別に日本国籍持って無くても在留資格があれば日本で問題なく生活できてしまいますし。

外国人住民の方たちが元の国籍を捨てて面倒な手続きを踏んで日本国籍を取得する理由ですが、消極的な理由として、親や自らが外国人差別や就職差別や入居差別にあったとか、子どもを外国人差別にあわせたくないとか、日本人と結婚するときに日本人の親から反対されたなどが多いです。積極的な理由としては自営業や会社を経営していて外国籍より日本人のほうが信用が付くとか、オリンピックやサッカーワールドカップで日本代表になりたい、政治家になりたいなどが挙げられるでしょう、あまり例は多くありませんが。

今年発生したコロナショックで、日本国籍取得のメリットに「再入国制限に引っ掛からない」、「入国制限に引っ掛からない」という理由が付け加えられたと思います。

コロナ騒動の初期に海外に取り残された日本人のために、日本政府が帰国のためのチャーター便を運航しましたが、当初搭乗者を「日本国籍に限る」という措置が取られたため、母国に里帰りしていた在日外国人住民の方が搭乗できないという問題が発生しました。飛行機の座席には物理的に限りがありますし、緊急事態なので日本人優先になるのはやむを得ないと思いますが。

また、4月に日本政府が緊急事態宣言を発令し、再入国許可を得て海外に出国していた在日外国人が日本に再入国出来ない問題が多数発生しました。今考えると空港検疫やPRC検査などの受け入れ体制が脆弱で外国人住民の方たちが日本に戻ってくると空港がパンクするためにこの措置が取られたと思うのですが、日本に戻ってこれない外国人からすると、「騙された」、「税金払っているのに」、「外国人差別だ」、「やはり外国人は二等国民だ」という批判が外国人や支援者から出てしまいました。

このような日本に生活基盤があるのに帰国難民になってしまう事態を避けるにはやはり日本国籍を取得するのがベストではないがベターな選択では無いかと思いますが、日本の場合帰化する際に二重国籍を認めなかったりするので、永住者にはなりたいが日本人にはなりたくないというのが外国人の本音なのかも知れません。日本人になって戦争起こったら兵隊に取られる可能性もありますしね。

ブラジルに移住した日本人を見ていると、やはり一世は日本国籍のまま生涯を終えた人が多いですが、二世はブラジル国籍と日本国籍両方を持つ二重国籍者が増え、三世になると日本国籍の届け出をせずブラジル国籍のみの者がほとんど、国籍というのは自ら進んで変更するものではなく、止むに止まれぬ事情が発生したときや母国との縁が切れない限りは変更しないものなのかも知れません。

閑話休題でした。

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