1990年に出来た定住者は手続きも審査も簡易だったので日系人労働者が日本に押し寄せましたが、2019年の特定技能は手続や制度のの複雑さ難解さと準備の遅れが目立ち、二匹目の泥鰌には成らなかったという感じでしょうか
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早いもので令和元年もあと1ヶ月余りとなりましたが、今年は「特定技能に振り回された一年だった」と嘆いている外国人雇用企業や派遣会社、人材紹介会社、登録支援機関が多いのではないのでしょうか(苦笑)。最新のデータで約3%の利用率、初年度47500人受け入れるという景気の良い話は何だったのでしょう。
今年特定技能の受け入れが想定より進まなかった原因ですが、特定技能試験やMOCなど日本政府と送り出し国の準備不足と認識の差、技能実習生と比べると転職可能や給与などで企業側が不利でコストがかかる点で様子見状態になってしまったというところでしょうか、母国に帰国し日本に戻って来たい元技能実習生からの問い合わせは本当に多いのですが。
実務上の問題点では、手続きが複雑面倒すぎるという点に尽きると思います。支援機関の登録、支援計画の作成と実行、介護や建設によっては上乗せ基準や認定などなど普通の就労ビザの申請と比べ書類は分厚いですし、入管の審査や言うこともコロコロ変わるという出来れば避けたい地雷案件のようになってしまっているような気がします。
1990年のバブルの時に政府にも日本政府は「定住者」という在留資格を作り、日系人労働者の受け入れで人手不足解消を図ろうとしましたが、その時は1年で2万4千人も定住者が押し寄せて来たのですから、如何に特定技能の受け入れが進んでいないか、また平成の30年で日本の国力が落ちて日本で就労するメリットが薄れてしまったかがわかると思います。
特定技能は5年で34.5万人の外国人労働者を受け入れるという制度なので、来年以降特定技能試験やMOCが整備されれば受け入れは徐々に増えていくでしょうし、また入管も留学や技能実習の審査を厳格化し特定技能へ意図的にシフトさせようとしておりますが、来年夏に東京オリンピックが終われば外食や宿泊の人手不足は一旦緩和するでしょうから先行きは不透明と言わざるを得ません。
来年以降、特定技能の外国人が順調に出来るよう祈念して筆を置かせて頂きます。【業務週報2019年12月第1週】