先日大手菓子製造企業が特定技能のベトナム人労働者を大量に雇用したのに関わらず新工場建設の遅れのために就業させることができず、長期間無給待機状態になっていることが当事者によるSNSでの告発で発覚、企業が待機期間中の休業手当を支払うことで一応の決着を見たという面白い報道が流れました。

在留資格が特定技能の外国人労働者は技能実習生と違い同一職種内でしたら転職転籍が可能で少子化で人手不足が進む一方の現在より良い給与や待遇を求める特定技能外国人の転職がブームになっているような感があります。転職先もいくらでもありますし転職すれば給与や待遇が上がるような状況ですから。

ただ特定技能外国人が転籍転職する場合、入管局で特定技能から特定技能への在留資格変更申請が必要で、私は特定技能の申請はやらないのでよく分かりませんが許可が出るまでにものすごく時間がかかる、その間特定技能外国人は就労不可で無給か有給か分かりませんが自宅待機状態となる、労働者からはマダカマダカと急かされる、お金が無いのでコッソリ不法就労させてくれと労働者から頼まれるという話を聞いていたので、遂にこういう問題が起きたかと報道を見て思いましたね。

事件を起こしたこの企業は業績好調で人手不足のために日本全国にいる食品製造の特定技能外国人に高時給高待遇の募集をかけて88名の特定技能外国人を採用したみたいですが、高時給高待遇というエサに釣られる労働者というのはこれまたお金に目ざとい人たちでしょうから山梨まで引っ越したのに関わらず工場が完成しておらず仕事ができず自宅待機を命じられSNSで騒いで今回の事件が起こってしまったようです。この企業は大手で業績も好調なので2.5ヶ月分の休業補償も払えましたが、零細斜陽企業ですと解雇とか強制帰国みたいな更なるトラブルが発生していたかも知れませんね。

私も外国人労働者受け入れの仕事を20ウン年やっていて外国人労働者の転職癖というか転職志向は痛感しています。日本に来たばかりの労働者は前借金返済、自分の貯金、母国の家族へも仕送りしないといけないのでいくらでもお金が必要で働き者の外国人労働者は50円でも100円でも時給が高い会社、残業や夜勤があって手取りの多い会社に転職してしまうのですね。特定技能外国人は皆若く単身者がほとんどですし物価高騰で貯金しずらい状況が続いているので転職志向は今後も続くと予想していますが。

技能実習制度も2027年から育成就労制度となり転職可能になるようですし、今の超円安や物価高騰がおさまらない限り外国人労働者の日本離れや質の劣化が進むはず。そうなると転職転職で育成どころではなくなる可能性も出てくると思います。今後更に進む人手不足にいち早い対策を取られることをオススメします。【業務週報2024年6月第5週】