87歳の永住申請と在日外国人の高齢化問題

先日1935年生まれの87歳の日系人のお婆さんに頼まれ永住申請をしたのですが普通数ヶ月かかるものが何と追加書類も要求されず40日で許可というハッピーエンドな結末に。

まあ申請人は年金生活者で仕事もしていないので在職証明書も提出不要というか不能、住民税納税証明書も非課税なので不要、年金貰っているほうなので年金事務所の書類も不要、自動車も運転しないので前科前歴無し(笑)という条件が良いのか悪いのかよく分からない案件でしたが、年齢を理由に不許可になるのではないかと危惧していたのでまずは一安心、超特急処理してくれたのも逆に年齢を考慮してくれたのではという気がしますね。

というのはこの方日系2世で両親とも生粋の日本人、出生後日本領事館に出生届が出されていれば日本国籍取れたわけですが、戦前ブラジルに渡った日本人移民は農業移住者がほとんど、就労先であるコロニア耕地も鉄道の無いブラジルの僻地奥地だったでしょうから日本側に出生届が出すことができず日本国籍を放棄せざる得なかった日本人が多かったと思います。ブラジルの日系人の場合自己都合なのでしょうが、フィリピン残留日本人の国籍回復問題と中国残留孤児の国籍問題と同じく日本の負の遺産のような気がしますね。

日本もかつては発展途上国で今のフィリピンやベトナムのように人減らしのために労働力を海外に送り出していた時代があり多くの日本人がアメリカやブラジル、ペルー、フィリピン、満州などに移民したのですが、1990年頃のバブル経済の好景気の際に2世に日本人の配偶者等、3世と日系人の配偶者、未婚で未成年の4世に定住者の在留資格を与えて人手不足解消の手段としての受け入れが始まりました。

日系人労働者の受け入れから30年、少子高齢化や超円安で日本の国力も大分落ち日本で就労するメリットも無くなったと思うのですが相変わらず日本での就労、生活を希望する日系人が多いのですが、相変わらず在留資格は未婚で未成年の4世までしか認められないのに関わらず現地の日系人は5世、6世の世代に突入し日本に来られない日系人が増加しジレンマを感じさせられます。

利用率が不調な日系4世の特定活動の在留資格が改善されるのか、定住者の範囲が拡大されるのか、技能実習制度のような利権がなく政治家も官僚も興味が無いと思われる日系人労働者の受け入れですが今後もその動向に注視していきたいと思います。【業務週報2022年7月第3週】

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