技能実習生なら時給829円、日系人労働者や日本人労働者だと時給2600円、あなただったらどちらを雇用しますかというコンプライアンス意識を問われる求人広告

自粛要請は解除されましたが新幹線は今でもこの有様。利用者には好都合ですが、廃線にならないよう祈る限り

4月から止まっていた在留資格認定証明書の発行が再開。コロナ特例で2021年4月30日、それでも駄目なら入国制限解除日から6ヶ月まで有効期限が伸ばされましたが紙クズにならなければ良いですが

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今年2020年(令和2年)は本当だったら東京オリンピック開催の年でインバウンドバブルと人手不足が最高潮に達していたはずが、まさかのコロナショック発生で21世紀にして鎖国到来という考えられない展開に。

インバウンド業界や人材ビジネス業界は全く当てが外れましたし、外国人を相手にしている私の商売も上がったりなのですが、日本にやってくる外国人がいなくなったことで良くなったなと思えることもいくつかはあります。

まず外国人旅行客がいなくなって良かったことは町が歩きやすくなったことです(笑)。ここ数年は外国人旅行客が増えすぎて観光地に行くと日本人がアウェー感を感じる位でしたし、ホテルや飛行機が取れなかったり、飲食店の値段は上がる、免税店に行っても外国人のほうが厚遇されるという外国人ファースト状態。しばらくはコロナで外国人旅行客は日本に来ないでしょうから、政府もインバウンド戦略を見直してもらいたいと思います。コロナ以前の年間4千万の外国人旅行客受け入れ目標は過剰だと思いますし、マナーが良く、日本にお金を落とす外国人に限定したほうが良いと思いますが。

また労働力として当てにしていた留学生や外国人技能実習生がコロナで入国が遅れていることで一部の業界で人手不足が起こり日本にいる労働者の賃金や待遇が改善されるという面白い現象が起きています。コロナで仕事の無くなった観光業や宿泊業の余った人材を常時人手不足の農業や介護にマッチングさせる事業が行われたり、農業の場合農林水産省が就労先までの交通費や技能実習生より高い日本人の上乗せ労賃を補助したりという施策が行われているのですね。好景気で人出が足りないのならいざ知らず、不景気で日本国内に失業者や求職者が多くいるのに、わざわざ海外から労働力を輸入しようとするのはどうかなと私も思いますが。

最後に一番驚いたのは中国地方の工場の在日日系ブラジル人向けの高給求人広告。地名と職種を見ると、以前技能実習生を雇用していて資格外活動違反で処分され受け入れ禁止処分にされた工場のようで、技能実習生の雇用を諦め日系人労働者の雇用にシフトしたようですが、技能実習生の給与がほぼ最低賃金なのに、日系人労働者は実勢価格で日本人と同等以上ですからその差が歴然(苦笑)。そりゃ処分覚悟で技能実習生に資格外活動違反の作業をさせる会社も出てくるでしょうし、技能実習制度が日本にいる労働者の雇用を奪い、賃金上昇を抑制していることの好事例なのではないでしょうか、この求人広告は(苦笑)。

第二波が出てきたコロナとの戦い、コロナ不況との戦いも太平洋戦争のように長期戦になりそうですので玉砕しないよう頑張って頂きたいと思います。不況もまた良しという言葉がありますが、従来のやり方が成り立たなくなり、既存の体制が崩れる変革期なのですから。