先日「無主之子 THE ROOTLESS」という台湾のテレビドラマをネットで鑑賞。

台湾で今問題になっている外国人労働者の失踪や外国人労働者が台湾で産み落とす無国籍児をテーマにしたドラマで、台湾の人気若手俳優がベトナム語を覚えてベトナム人役をこなし、ロケ地でベトナム人労働者と一緒に働くという台湾らしい手の込んだ作りのドラマで見ていて感心してしまいました。

ストーリーですが、漁業の外国人労働者として来台した母国で結婚しているベトナム人男性労働者が実家が市場で魚屋をやっている台湾人女性と知り合い恋に落ち妊娠、結婚を母親に反対され、2人は駆け落ちし子供を有無が父親が不法滞在で出生届が出せない。するとベトナムからベトナム人男性の正妻が来台し台湾人妻と喧嘩になるが結局台越ハーフの子(別称新住民二代、新台灣之子)を台湾人の母親の元へ残し、ベトナム人の男と正妻はベトナムに帰国。

台湾人の母親も結局シングルマザーでは子供を育てられなく、子供は台湾人家庭に養子に出されてしまい、フリーターというか不安定な非正規の3K職場を転々としている内に、犯罪に巻き込まれ警察の取り調べで自分が台湾ベトナムのハーフで無国籍児であることを知ってしまったというのが第一部。

途中、主人公のベトナム人労働者の友達のベトナム人労働者が逃走中警官に拳銃で撃ち殺される場面がありますが、これも2017年に新竹で実際にあった警官による不法滞在のベトナム人労働者射殺事件「阮國非案」のオマージュなのでしょうね。

しかし自国の恥のようなこんな重いテーマのドラマが地上波で放送されスポンサーが付くとは日本では考えられない話。日本でも技能実習生や留学生の失踪や犯罪をテーマにしたドラマや映画を作っても関心持つ人は少ないでしょうから。

日本でもハーフや外国人子弟の処遇や社会的統合が問題になっていますが、興味のある方はご覧になられることをオススメします。