先日、前評判の高いブラジル映画「ニホンジン Eu e Meu Avô Nihonjin」が名古屋で公開されたというので40度近い猛暑の中鑑賞に。着いた雑居ビルの中にある小さな映画館は既視感があったので聞いてみるとなんとシネマテーク、コロナで一度閉館になったのを有志が復活させたとの事でした、昔台湾映画か何かの映画を見に行った記憶が。
「ニホンジン Eu e Meu Avô Nihonjin」は昨年2025年にブラジルで制作された映画で、オスカー・ナカサト氏という日系ブラジル人が子供の頃の話を小説にしたものが下敷き、ネタバレになるのであまりストーリーは書けませんが、今の日本の外国人(労働者や移民)受け入れ状況と重なる部分が多くいろいろ考えさせられました。
例えば今アジアの途上国から来日する外国人技能実習生や特定技能外国人、留学生などは日本は先進国で賃金も高く稼げると思って日本に来ると思うのですが、実際彼らの受け皿は農業や建設、介護などの3K、静脈産業、衰退しつつある産業や企業が多く「母国で聞いた話と違う」というミスマッチが多々起きてトラブルや犯罪が発生してしまうのですが、ブラジルに渡った日本人農業移民もブラジルは常夏で1年中農業ができる、農地も広くて農業は儲かるという上手い話を信じて渡伯したのが実際は銃で脅され開墾作業をさせられる文字通りの奴隷労働をさせられたわけですから歴史は繰り返すというかこういう「騙し」は無くならないのだなと感心させられました。
ブラジルに渡った日本人移民はきつく半強制的な農業労働に耐えかねてサンパウロ市などの都市部への移動現象が起きましたが、今日本に来ている外国人労働者も最初の数年は受け入れてくれた地方所在の企業で働き、その後転職し賃金待遇の高く生活しやすい都市部へ移動するそうですからここらへんも100年前と全く変わらないというか、全く同じ現象が起こっているのは今日本で流行っている「外国人で町おこし、地方創生」や「外国人で人手不足解消や人口減少阻止」が上手くいかないわけだなと思わされました。
映画の中でブラジル生まれの主人公が日系3世なのに日本語が話せず日本人のお爺さんと意思疎通が難しいという場面がありましたが、今日本に住む在日ブラジル人も日本生まれや日本育ちが増えてポルトガル語しか話せない親や祖父母と難しい話ができないという問題をよく見聞きしているのでこれまた考えさせられました。
というわけで外国人受け入れに携わっている人には勉強になるのでオススメですし、外国人ヘイトの人にもそんなイライラしても仕方が無いよということが分かると思うのでオススメ、日本生まれ日本育ちでブラジル人であることが恥ずかしいと思っている日系ブラジル人の若者は必鑑、まだ公開中ですので近くの映画館で公開されていたら鑑賞をお薦めします。【業務月報2026年9月】








