年に一度のブラジル出張中ですが、今回は縁あってサンパウロ州内陸部のアラサツーバ市近郊に住む日系人の高齢ご夫婦を訪ねることに、20年ほど日本でデカセギし愛知県にも住んでおられた方です。

行きはサンパウロ市にあるコンゴーニャス空港から飛行機で行ったのですが、何と100人乗り位の小さなプロペラ機、結構ペラが回る音がうるさかったですが1.5時間位で無事アラサツーバ空港到着、その空港も歩いて到着ロビーまで行くような小さな空港だったのですが。

空港には日系人の高齢ご夫婦と運転手役の親戚の方が出迎えてくれてアラサツーバ市内の日系中華混在の量り売りレストランで夕食後車で20キロ位離れた高齢ご夫婦のお宅に。

都合3日位滞在させていただいてご自宅で手料理、バールでビールやコーヒー、レストランでシュハスコをご馳走になったり、マンジョッカ畑に芋掘りに行ったりと日本では滅多にできない経験をさせていただきました。

日本で就労している日系ブラジル人労働者の場合、母国に家族を置いて単身でデカセギする方と、単身でデカセギ後家族をヨビヨセする方、最初から家族で日本に移住する方の3パターンあります。昔は日本で短期間稼いで母国に帰るデカセギが多かったのですが、改善しないブラジルの治安や雇用の悪さから今は最初から家族単位で日本に移住するパターンが多いと思います。今回お世話になった日系人の方も最初から家族単位で移住したそう、ブラジルの田舎だと治安は比較的良いのですが農業不況で仕事が無いのですね。

その方のお子さん4人は日本で結婚出産、住宅購入し日本に定住、ご夫婦は年金を受給できる年齢になりブラジル帰国を決断されたそう、日系ブラジル人労働者が社会保険や国民年金に加入したのは2000年代でしたから日本で生活できる程の年金を受給できなかったのですね。

今は高齢ご夫婦がブラジル、4人の子供と7人の孫が日本という家族が分断した生活を強いられていますが、こういう日系人の一家は多いと思います。高齢ご夫婦も今は自立して生活できていますが、あと10年したら介助や介護が必要になるでしょうし、そうしたら日本にいる子供が介護のためにブラジルに帰国することになるのか、近くにいる親戚が介護することになるのかという問題になると思いますが。

少子化人手不足で特定技能外国人労働者の受け入れを進めている日本ですが、本人は日本に永住出来るようになっても親も永住できるようにしないと、いずれ母国に帰国する特定技能外国人も多いような気がします。それは移民政策なので日本国民は大反対するでしょうから難しい問題だと思いますが。【業務週報2023年5月第1週】

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