先日日本生まれ日本育ちの外国人の若者の日本国籍取得のための帰化申請に同行。日本で義務教育、高校は外国人学校に通ったので日本語も母国語も完璧なバイリンガルなのですが、私がコロナ不況で困っているのを風の噂で聞いたようで依頼して来てくれたのですね、人間性も素晴らしい(笑)。
勘違いしている人がたまにいるのですが、両親外国人の子供が日本で生まれた場合、日本の場合は血統主義なので当然には日本国籍は取得できず国籍は両親のいずれかか両方の国籍ということになります。アメリカなどは出生地主義なので台湾人や中国人の金持ちが子供をアメリカで出産して子供にアメリカ国籍を取らせるなんてことができるのですが日本はそれが出来ないのですね、まあ出来ないほうが良いと思いますが。
なぜ日本に生まれた外国人の子供は日本国籍を取れないのかというと「日本は出生地主義では無く血統主義だから」という禅問答みたいな答えになってしまいますが、少子高齢化で毎年人口が60万人も減り、国際結婚が増えハーフの子供が増え、日本生まれの外国人の子供も増えという状況を考えると時代遅れになっているのかも知れませんね、戦前の国籍法は日本人と国際結婚した外国人配偶者も当然のように日本国籍取得できていたようですから。
今日本政府は労働力不足人手不足解消のために外国人技能実習生や特定技能外国人、外国人留学生の受け入れや活用に熱心ですが、20前後で来日する外国人は所詮外国人で日本語は習得できたとしても日本の常識や習慣や日本人の考え方や思考様式を教えこんで取得させるのは結構難しいと思います。その点日本生まれや小さい頃から日本で育った外国人の子たちは国籍は国籍が日本でなくても外見が日本人とは違っていても考え方や行動様式は日本人と近いと思いますので、イジメや不登校の問題を乗り越えられればポテンシャルは日本人の子より高いのではという期待がありますね。
台湾では数十年前から東南アジアからやって来る外国人花嫁と台湾人男性の国際結婚が急増し「新台灣の子」と呼ばれるハーフの子や台湾生まれの外国人の子たちが台湾社会で大挙活躍しています。日本も台湾も少子高齢化が解消できない以上外国人の受け入れで人口減少を少しでも食い止めないといけないわけですが、外国人子弟の教育にかかるコストや問題を恐れてか逆に家族の帯同に規制が、しかしコロナ後の世界はますます無国境になるはずですから、実質的には移民受け入れという状況が生まれてくると思います。そういう社会のほうが面白いと思いますがいかがでしょうか。【業務週報2022年8月第5週】