今年夏から日本の永住ビザ(正式名:在留資格永住者)の申請が公式に厳格化されました。
実務上永住許可は数年前から既に厳格に審査されるようになっており、現在相当数の不許可が出ていると想像されます。
私が行政書士として外国人のビザ手続を代行するようになって今年で16年なのですが、永住ビザ申請は年々厳格化の一途をたどっています。私が開業した当時は在留資格日本人の配偶者等の日系ブラジル2世の方たちの定住化が進み3年に一度のビザの更新が面倒になり永住ビザを取り出した頃でしたが、当時は課税証明も納税証明も要求されませんでしたので、申請すれば許可率100%という状況でした。日本人の実子ですと簡易永住で独立生計要件も問われませんし。
その後定住者の日系3世とその家族が定住化に伴い住宅購入のローンを組むために永住ビザを取り出しましたが、その頃の日系ブラジル人労働者は稼げていたので、納税状況と前科と長期出国に注意すればほとんどの方が永住ビザと日本での住宅を手に入れることができていたと記憶しています。
ところがリーマンショックと東日本大震災、その後の不景気で、外国人労働者の雇用と所得状況が悪くなり永住ビザが取りにくくなってくるとともに、健康保険加入や年金加入なども審査されるようになりだんだんと申請しても不許可で永住ビザを取れる外国人が少なくなっていったんですよね。永住ビザ取ると悪いことする外国人が増えたのも原因だと思いますが(苦笑)。
一方2015年には「高度専門職」という在留資格が作られ、一般永住の在留要件が10年のところ優秀な外国人には在留3年、超優秀な外国人には在留1年で永住許可を与えるという優遇措置を開始したり、今年できた「特定技能」の在留資格は技能実習1号2号3号の在留期間と合わせれば10年の在留要件をクリアするのに永住申請を認めなかったりと要は優秀な外国人は永住させ、将来低年金や生活保護など日本の負担になりそうな外国人労働者は永住させず帰国を促す政策を進めているように感じます。
ということでこれから住宅購入や就職、日本人との結婚などの理由で永住ビザ取得希望の皆さんは最低5年は社保完備の会社で転職も母国への里帰りもせずガムシャラに働いて、節税せずにできるだけ高額納税をし、警察のお世話にならないよう注意しましょう(苦笑)【業務週報2019年9月第3週】