先月静岡県の田舎町でブラジル人の夫妻が自宅前で何者かに襲われ夫が刃物で滅多刺しにされ死亡するという痛ましい事件がありましたが、ようやく容疑者の身柄が確保、その容疑者が被害者の同僚の日本人の高齢者の男だったという報道にビックリした人が多かったのではないでしょうか。
我が国の外国人犯罪のイメージは元々貧しい国からやってくるお金の無い外国人が日本で犯罪に手を染め我が国の治安を悪くするというものでしょうが、外国人の受け入れから30年で大分様相が違ってきたように感じます。
我が国が外国人労働者の受け入れを始めた平成のはじめと比べ、アジア諸国はここ30年で経済発展しましたが、我が国は経済停滞とデフレで相対的に貧乏になりました。30年前品質性能が良いMADE IN JAPANの日本製品は価格も高くアジア諸国では高嶺の花で買うことの出来ないアジア諸国ではコピー製品が出回ってましたが、今では外国人旅行客が爆買いで買い漁る状況です。
一方日本人はというとここ30年で高齢化が進む一方雇用の非正規が進み給料が上がらないというか増税などで目減りする人が多い状況。受給額が少なく年金だけでは生活できなかったり、長寿化で老後の生活資金が心配だったりで仕事を辞められない高齢者が多いはず。今回の事件の容疑者も60代の高齢者工場派遣労働者で外国人労働者と共に働く生活は不本意で先の見えない日々に焦燥感を募らせていたのかも知れません。
昨今多発する外国人に対するヘイト事件、そして今回起きた外国人が加害者の外国人犯罪から外国人が被害者になる外国人犯罪へという流れの変化は日本と日本人が資産的にも精神的にも貧しくなっていることの証明かも知れません。被害に遭われた方へお悔やみ申し上げます。