上から、平日、普通の週末、そしてラマダン明けのイベントの日の台北駅大ホールの様子

台湾台北市には台北駅という大きな駅があります。一階のど真ん中に白黒模様の大ホールがあるのですが、週末イベントなどに利用されるほか、10年ほど前から台湾人の若者や外国人労働者が集まり座り込んでおしゃべりするという現象が発生。新型コロナウイルス感染予防のために今年の2月頃から座り込み禁止になっていたのですが、管理する台灣鐵道がその地べた座りを恒久的に禁止すると発表した途端若者のグループや外国人支援団体から反対運動が起こりました。多分座り込みが大規模になりすぎて駅の利用者や通行人、二階のテナントから苦情が出たせいだと思いますが。

台北駅に週末外国人労働者が集まってしまう原因ですが、まず待ち合わせや落ち合うのに便利な点が挙げられるでしょう。台北駅はターミナル駅ですから。台湾北部の外国人労働者は中部や南部の外国人労働者と違い電動自転車やバイクも使わない人が多いでしょうから自然と集まってしまうのでしょう。次に外国人労働者、特に住み込み介護ヘルパーは週末しか休みが取れないので日曜日に異常に外国人労働者、特に女性のインドネシア人が目立ってしまう。しかも住み込みの介護ヘルパーは外国人労働者の中でも低賃金で母国への送金や貯金、前借金返済のために極力お金を節約しますので、レストランや商業施設も利用せず台北駅の大ホールで手作りの母国料理の弁当を持ち寄り休日を過ごすのが彼女らに取って唯一かつ一番合理的な余暇なのでしょう。台湾人の若者は帰る家がありますが、台湾北部の狭いマンションで住み込みで働いている外国人介護ヘルパーには行き場がないのですよね。

香港も週末に外国人メイドが週末香港島に集まってしまう現象がありますが、駅構内ではなくちょっと離れた公園や広場、日本でもバブルの頃に不法滞在のイラン人が東京の公園に集まってましたが排除されましたし、2000年位に日本人の若者が路上に座るジベタリアンという現象が起こりましたが自然消滅しました。

台湾は女性の社会進出が盛んだったり、元首が女性だったり、LGBTに寛容だったり原住民や新住民の文化の保存保持に熱心だったりと日本と比べると考え方が多元的で少数派にも配慮がある印象がありますが、台湾で働くブルーカラー系の日本で言えば技能実習生のような外国人労働者は増え続けて現在70万人、少子化とは言え台湾人の若者の雇用を奪い、賃金を抑制している現実がありますので、今後はどうなるのでしょう。外国人犯罪の報道も目立ちますし。

この問題も注視していきたいと思います。