尖閣問題で訪日中国人旅行者が来なかった2013年2月の春節休みに台湾人のアテンドで大阪を訪問、今年はお客が少ないとカニ屋が嘆いていたのが印象的でしたが、悪夢再びという感じかも

中国の武漢ではじまった新型コロナウイルス騒動が日本に波及して1ヶ月近く経ちましたが、大激震のインバウンドビジネスほどではないですが、既に外国人雇用の世界にもいろいろ影響が出始めています。

日本政府はまず武漢のある湖北省、次いで浙江省在住者の入国拒否を開始し、湖北省出身の技能実習生が来日、帰国できなくなるなどの影響が発生しましたが、中国側の都市や道路の閉鎖や航空機の欠航により実際にはより多くの地域で日中間の人流が阻害されているようです。コロナウイルス騒動が4月の入学、入社シーズンまでに収束しなければ中国人留学生や技能実習生の来日キャンセルなどで教育機関や技能実習生の実習実施者が影響を受けることになると思います。

またコロナウイルス感染が我が国で認知された2月以降、中国人旅行客の来日キャンセルが相次ぎ、インバウンドビジネスに従事する外国人労働者の雇用にも影響が及んでいるようです。中国人旅行客をターゲットにした免税店や宿泊施設、観光バス、娯楽施設などは今月は春節で「かきいれどき」だったはずが一転してこの事態ですから、これまた事態収束まで尖閣問題の時のように臥薪嘗胆を強いられるのではないでしょうか。

まあ別の見方をすると、今まで好調すぎたインバウンドビジネスが東京五輪前に失速することで宿泊や外食などの人手不足は一服するでしょうし、雇用を維持できなくなったインバウンドビジネス業界で雇用調整(早く言えばリストラ)が行われれば、他の人手不足の業界に人手が流れ人手不足緩和の一助になるのではと期待しているのですが(苦笑)。

国外ですと、フィリピン政府はコロナウイルス拡散予防のため、「一中原則」により中国、香港、マカオ、台湾との人の往来を禁止したため、香港や台湾で働くOFWが帰国できなくなったり、新規の入国が凍結されたりという影響が出始めています。

2012年に尖閣問題で中国からの旅行客が一時激減した後、2014年頃から中国人旅行客の数は右肩上がりで増加しいわゆる爆買いにより日本経済に多大な貢献をしてくれましたが、そろそろ過度な中国人旅行者への依存は見直す時期なのかも知れませんね。