お知らせ&業務週報
外国人との多文化共生社会の実現には長い時間がかかる
2025-10-14 入管局や在留資格やビザの話題在日外国人の話題日系ブラジル人の話題業務週報
先日は私が住む街で行われた「日伯交流130周年記念イベント」に参加。大げさなイベントタイトルが付いていますが、ブラジル人的にはブラジルの子供の日Nossa Senhora Aparecidaのイベント、会場が何故か競輪場でちょっとシュールな感じがしましたがなかなか楽しめました(苦笑。 愛知県は日本語が要らない割に賃金の良い自動車関係の雇用が多いため1990年に入管法を改正し労働力として受け入れた日系ブラジル人が集住していて、特に豊橋市には8千人を超えるブラジル人の方たちが住んでいるのですね、ピークだったリーマンショック直前の1.3万人からはだいぶ減ってしまいましたが。 しかし以前と比べればトラブルや犯罪もだいぶ目立たなくなりましたし、以前多かった子弟の教育問題もブラジル人学校や市の教育委員会の尽力のおかげでほぼ無くなりましたし安定した助け合い精神の強い良い感じのコミュニティーになったと思います。 コロナ禍が終わってから外国人の受け入れが再開され訪日外国人旅行者も外国人労働者も急激に増えすぎて外国人に関するいろいろな軋轢や摩擦が日本全国で起き社会問題や政治マターになっていますが、そもそも1990年に日系人の受け入れを日本が始めたきっかけもその前の80年代に不法滞在外国人の不法就労や凶悪犯罪や当時ボートピープルと呼ばれた偽装難民問題、中国人による偽装留学問題などがあっての事ですから歴史は繰り返すというか日本の外国人受け入れ政策が当時と比べ進歩していないということでしょう。 日系ブラジル人を受け入れた当初も騒音やゴミ出し、車の路上駐車などの生活トラブルや犯罪、子弟の不登校や非行などの問題が噴出した時も、当時の政府や自治体は「ブラジル人と多文化共生しましょう」みたいな事を言ってましたがあれは効果があったのか、今思うと馬鹿の一つ覚えの念仏だったような感じがしますが。 ブラジル人コミュニティーが落ち着いたのも受け入れから35年経って移住3代目の世代に、日本生まれや日本育ちのブラジル人も増えて日本社会とだいぶ統合というか同化が進んだのが一番の原因だと思いますがどうでしょう。 日本にルーツや縁が有り家族帯同可能で永住許可も優遇されている還流移民の日系人でさえ日本社会に馴染むまでこれだけ長い時間がかかったわけですから、今日本で増えている言葉も宗教も違う全くの外国人が日本に馴染む、日本側から言うと多文化共生できるようになるまでには相当の時間がかかるのではないでしょうか、三代日本に住んでもらってようやく日本に慣れ馴染むくらいの感じでしょうか。 外国人との多文化共生社会の構築が数年で達成できるものでは無いことを理解していただければ幸いです。リンク先も良記事ですから参考にしてみてください。【業務月報2025年10月】 関連記事: 外国人を日本に定住定着させるには 外国人の生活保護受給は日本の外国人雇用の矛盾の証左 日本国から日系4世へのクリスマスプレゼント 外国人増え過ぎで入管処理パンクという悲喜劇 再再再申請でようやく下りた在留資格認定証明書 定住外国人の生活保護受給叩き再び 少子化でお笑い化する日本の教育産業 外国人技能実習生の失踪激増とやむ転容認
ブラジル映画「アイム・スティル・ヒア(Ainda Estou Aqui)」
2025-08-31 日系ブラジル人の話題業務週報行政書士の話題
日本で滅多に上映されないブラジル映画が全国で公開、私が住む近くの地方都市の映画館でも公開されるということで早速観に行くことに。 上映された映画館ですが数年前にアンソニーウォン主演の香港映画を観に行ったところで渋いというかあまり人気の無さそうな映画ばかり選んで上映しているところです(苦笑、当時はクラファンとかやってましたが、コロナ禍を乗り切りまだ営業しているとはと感心しましたが。 香港映画「アンソニー・ウォン(黄秋生)の淪落の人」 私自身あまり映画観ないほうで、ブラジル映画をまともに鑑賞するのは「シティ・オブ・ゴッド (Cidade de Deus)」以来、一緒に行った結構映画好きなブラジル人もブラジル映画は滅多に観ないということでしたが、「アイム・スティル・ヒア(Ainda Estou Aqui)」は素晴らしい映画でしたね、2時間以上の長い映画でしたが観客の誰も途中退場しませんでしたし誰もトイレにも行きませんでしたからね(苦笑。 舞台はDitaduraと呼ばれる軍事政権下の1970年代のブラジルリオデジャネイロ、実話を元に描かれた悲劇の映画でしたが、事実は小説より奇なりという感じを受けました。日本人が持つブラジルやブラジル人へのイメージとかけ離れていると思いますので興味がある方は鑑賞をオススメします。 アイム・スティル・ヒア 映画鑑賞の帰りに近くのブラジル料理店で遅い昼食を。この街も一昔前は約2万人の日系ブラジル人が住んでいてブラジル人集住都市と呼ばれていましたがリーマンショックで半減、今人手不足や人口減少を食い止めるために外国人労働者の受入れが盛んで、ものすごい勢いで主にアジアからの在日外国人の数が増えていますが、ブラジル人は日系4世の在留資格の壁問題もあり減少傾向というおかしい状況が起こっているのですね。そのブラジル料理店も週末のかき入れ時なのにかかわらずお客さんの入りはイマイチという感じでした、美味しかったのに残念。 在日外国人の急増とともに外国人絡みのトラブルや外国人犯罪も増えているようで外国人との多文化共生が叫ばれています。日系人が多いブラジル人はイスラム圏からの外国人労働者のような文化の違いによるトラブルが少ないですし、日本人と同等の賃金を受け取っているので技能実習生のような貧困や困窮を原因とする犯罪も少ないはず、外国人とのトラブルや外国人犯罪を減らしたいと思うのなら原点回帰し日系人の受入れを強化したほうが思うのでしょうがどうでしょう。 今週末も静岡県浜松市や愛知県豊田市でブラジル独立記念日のイベント(ブラジルデー2025)が行われるようなので興味のある日本人の方たちもぜひ参加してみてください。【業務週報2025年9月第1週】 関連記事: メキシコアレナメヒコで本場のルチャリブレ観戦記 2022年GWブラジル弾丸出張報告④ 日系人との交流は無駄遣い?未来への投資? OJW(OVERSEAS JAPANESE WORKERS)という選択肢 南米出張にビジネスクラス利用は是か非か 日本の物価の安さとサービスと住みやすさは世界一 物価高騰と人手不足でエスニック料理店の苦境再び 外国人増え過ぎで入管処理パンクという悲喜劇